産婦人科で働くナースによくある悩み

産婦人科 看護師の悩み

産婦人科への転職を考えているあなた。産婦人科は、生命の誕生に喜びを感じられる方にぴったりの転職先です。

「出産経験がある」「赤ちゃんが好き」「妊婦さんの力になりたい」転職理由は様々だと思います。

しかし、立ち会う出産全てに喜びを感じられるわけではありません。時には、つらく厳しい現実を受け入れなければならないこともあります。

どの職業もそうですが、特に産婦人科のナースは生半可な気持ちでは務まりません。

転職前に、産婦人科のナースさんはどのような悩みを抱えているのか、そして、その悩みを乗り越えられるナースの方はどのような特徴を持っているのかご紹介します。

産婦人科で働くナースが抱える4つの悩み

悩む、看護師

生命の誕生に立ち会える産婦人科。喜びが大きい分、抱える悩みも他の診療科とは一味違います。

今回は産婦人科で働くナースが抱える4つの大きな悩みをご紹介します。

つらく厳しい現実を受け入れなければならない

産婦人科で働くナースの方の最大の悩みは、出産が上手くいかなかったときに訪れます。

流産や子宮の摘出手術を経験した妊婦さんに立ち会うことも、産婦人科で働くナースの重要な役目です。その現場に立ち会うナースの精神的な辛さも並大抵のものではありません。

しかし、一番つらいのはもちろん妊婦さん。妊婦さんの精神的なケアを行うナースが涙を流していてはいけません。

涙を押し殺して、辛く厳しい現実を受け入れなければならないことに悩むナースの方は多いのです。

勤務時間外の呼び出し・オンコール待機が多い

妊婦さん全員が正常分娩で出産できるわけではありません。

緊急ガイザーや妊婦さんの急変、帝王切開など様々な事態に対応しなければなりません。そのため、産婦人科では残業が多くなります。

出勤でなくても、オンコール待機などで病院にいなければならないことも多いです。

手術や分娩件数の多い産婦人科なら尚更です。終わる時間が読めないため、家庭を持つナースの方にとっては悩みの種になります。

助産師のアシスタントとして働くことが多い

産婦人科で働くと助産行為ができないため、ナースとしてのスキルが下がります。

実際に転職してみるとお分かりいただけると思いますが、助産師さんがメインでお産をすることが多く、新生児のケアも助産師さんが行います。

そのため、ナースは助産師さんのアシスタントとして指示で動くことになりますが、新生児に触れられることは滅多にありません。

また、産婦人科は婦人科と産科で別フロアで別れていることが多いのですが、ナースは婦人科のフロアに配置されます。

そのため、せっかく産婦人科に転職したにもかかわらず、なかなか新生児の誕生に立ち会えないなんてこともあるのです。

どうしても産科で働きたいと考えているならば、助産師の資格を取得することをおすすめします。

産婦人科に向いているナースの特徴

新生児

産婦人科に向いているナースの方の特徴をご紹介します。

つらい現実を受け入れる強いメンタルを持っている

先ほどもご紹介したように、産婦人科で働くナースの方は生命の誕生に立ち会えるばかりではありません。

流産の多くは染色体異常が原因と言われています。この染色体異常は、妊婦さんの年齢が高くなればなるほど確率が上がります。そのため、年齢が高くなるごとに流産の確率は高まるのです。

確率は次のような目安になっています。

年代流産の確率
30代前半約15%
35~39歳約20%
40歳以上40%以上

これだけの確率で流産を経験する妊婦さんがいらっしゃいます。流産を予防する方法はありますが、胎児の染色体異常などが主な原因なので確立をゼロにすることはできません。

産婦人科に転職したいと考えるなら、ある程度の覚悟は必要なのです。かといって、過剰に不安を抱いていればナースとしての役目を全うすることはできません。

もちろん、無事に出産が終われば大いに喜びましょう。現実に直面した時に、受け入れられる強いメンタルの持ち主が産婦人科に向いているのです。

不測の事態にも対応できる

妊婦さんの分娩進行は1分1秒単位で変化します。

つい先ほどまで健康で順調だった分娩が1分後には状況が悪化し緊急帝王切開となることもあります。先ほど無事に誕生した新生児の呼吸が突然止まることもあります。緊急症例をあげればきりがないほどです。

分娩進行の観察は助産師さんがメインで行いますが、大きな産婦人科では分娩進行妊婦さんが何人もいます。

その場合はナースが分娩進行の観察を行い、緊急事態に気づくことが求められます。

このように1分1秒後に何が起こるか分からない不測の事態に対応することは、最初は慣れずに苦労するナースが多いと思います。

そのため、集中力や観察力が鋭く、柔軟に対応できる方が産婦人科のナースに向いていると言われています。

妊婦さんのメンタルケア・サポートができる

無事に出産できた妊婦さんもそうでなかった妊婦さんにも、精神的ケアが求められます。

ナースの方は助産行為は認められていませんが、妊婦さんやご家族へのケアを行うことで、精神的ケアを身に付けることができます。

病棟勤務時から患者さんとのコミュニケーションを積極的に図っていた方は、産婦人科でも妊婦さんのメンタルケア・サポートができるはずです。

まとめ

ナース、助産師

産婦人科で働くナースの方は、生命の誕生に喜びを感じられるばかりではありません。喜びが大きい分、つらく厳しい現実も突き付けられるのです。

その分強くなって、一人前の産婦人科ナースになりましょう。最初は悩み、涙を流すこともあるかもしれませんが、ナースとしての看護観を大きく変えてくれるはずです。

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