ナースとしての仕事から離れたものの、子育てがひと段落した方や「他の職種を経験しての仕事に戻りたい」と考える方は多くいらっしゃいます。
その際、「ブランクがあることでナースとしての仕事の質が落ちていたらどうしよう…」と不安を抱く方もいるのではないでしょうか。
今回は、ブランクで悩むナースの再就職方法をご紹介します。
ブランクのあるナースの悩み
ブランクで悩むナースの方はどのようなことに不安を抱いているのでしょうか?
今回は最も多い悩みを3つご紹介します。
① 教育制度に不安を抱く
ナースの教育制度とは、手技や制度を学ぶことができる研修や、先輩看護師が一人ついて、個人的に指導してくれるプリセプター制度などが代表的です。
しかし、現在の看護師の労働条件は決していいとは言えません。
深刻な人手不足、年々増加する高齢者人口。
対応だけで手一杯な医療機関は教育制度が整っていない可能性が高いのです。
しかし、ブランクがあるからこそ業務内容が覚えにくいですよね。
また、新人看護師とは異なる立場でもあるため、同僚や上司に遠慮してしまい質問できないなんてことも。
ブランクで悩む看護師だからこそ教育制度は整っていてほしいですよね。
② 家庭と仕事の両立に悩む
出産や育児で離職していた方は、再就職後家庭と仕事が両立できるか悩む方も多いでしょう。
ナースは「夜勤」や「残業」が多い職業で、時間が不規則です。
しかし、深刻な人手不足により働き方に融通が利く医療機関も増えてきています。
家庭と仕事を両立したいと思うのなら、再就職先の選び方は「ママさんナースが多い」や「夜勤・残業なし」の基準で探しましょう。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。⇒『家庭と仕事の両立に悩むナースがすべき4つのポイント』
③ 体力面で悩む
ナースの仕事は体力勝負です。
1日中立ち仕事、患者さんを支える力仕事、残業や夜勤あり…様々な条件が重なって体力面で悩む方も多いです。
体力に不安を抱く方が最初から急性期病棟で夜勤に入ってしまえば長く続けることはできないでしょう。
ご自身がどれくらいの時間、どの程度の仕事内容なら対応できるのかを事前に考えておきましょう。
ブランクのあるナースの悩みを解決する4つのポイント
ブランクで悩むナースが再就職の際に知っておきたい4つのポイントをご紹介します。
① 教育制度の整った医療機関をを選ぶ
再就職の際には、「ブランクOK」と記載されている求人も多いです。
仕事に復帰するナースをサポートする、あるいは再就職支援研修を行ってくれる医療機関もあります。
教育制度の整っている病院なら安心して再就職することができますよね。
病院によってはプリセプター制度を取り入れているところもあります。
プリセプター制度のメリット
プリセプター制度とは先輩看護師が1年程の期間新人看護師に対してマンツーマンでの教育を行う制度を表します。
プリセプター制度には次のようなメリットがあります。
- 疑問点を気軽に聞きやすい
- 丁寧な指導が受けられる
- プリセプターと共に成長できる
プリセプター自身、自分の業務をこなしながら指導する立場にあるため、プリセプターが指導に負担に感じてしまうこともあります。
そのため、プリセプターの業務次第で、あなたへの指導に影響が出ることも、
プリセプター制度を導入している医療機関を選ぶのではなく、プリセプターを行う先輩看護師の指導にも配慮が配られている医療機関を選ぶことをおすすめします。
看護師専用の転職サイトを利用すれば転職コンサルタントが教育制度の整った医療機関を相談してくれます。
転職コンサルタントは病院の内部情報にまで精通しているため、自分では知ることのできなかった情報も入手可能です。
② 育児に理解のある医療機関を選ぶ
家庭との両立に不安を抱いているならば、育児に理解のある医療機関を選びましょう。
託児所を施設内に運営している医療機関もあり、夜勤でも預けることができます。
発熱や怪我の場合もすぐに駆け付けることができるため安心ですね。
③ 再就職支援プログラムで最新の医療知識・技術を習得する
ナースの再就職に欠かせない事前準備の1つが勉強です。忘れてしまっている知識を補うためにも再就職前に必要な知識を復習しておくことは大切です。
まずは独学で不安な部分を振り返ってみましょう。独学で不十分な部分や離職中の医療情報などは、再就職支援プログラムの利用がおすすめです。
再就職支援プログラムとは?
再就職支援プログラムとは、都道府県のナースセンターや看護協会で開いている講習会です。ブランクを抱えた看護師を対象としており、再就職支援研修や再就職支援セミナー、復職支援研修とも呼ばれています。
基本的にブランク期間に忘れていた知識や技術を学び直し、離職中に導入された最新医療も勉強できます。
多くの場合が無料ですが、有料でも1,000円前後で受けることができます。
対象地域のハローワークや看護協会、ホームページなどで確認してみてください。
④ ゆったりと働くことができる職場を選ぶ
過去にナースとして第一線で働かれていた方でも、復職後いきなり急性期病棟のような精神的にも肉体的にもハードな職場で働くのは負担が大きいでしょう。
これまで離職していた方が復職すると、業務内容を覚えたり新しい職場に馴染もうとするだけで負担に感じます。
復職後、最初の就職先はデイサービスや訪問看護師、クリニックなど比較的ゆったり働くことができる医療機関がおすすめです。
いずれ急性期病棟に戻りたいと考えている方でも、一度ゆったり働いてから転職すると業務内容も覚えやすくなりますし、動きも大きく異なります。
再就職前の勉強や準備がブランクを埋めるポイント
ブランクを埋めるポイントは、事前に勉強や準備を欠かさずに行うことです。
また、いきなりハードな職場を選ぶのではなく、まずはご自身の生活リズムを第一に考えて働くことができる職場を選びましょう。
ブランクがあると以前に比べて、体力、記憶力、様々な点で衰えを感じるかもしれません。
しかしそれは自然なこと。事前の勉強や準備を入念に行っていれば、ブランクはすぐに埋めることができます。
再就職支援プログラムや教育制度の整った医療機関を利用して、再就職に備えてみてはいかがでしょうか?